プレゼンテーションについて
プレゼンテーション・1:鈴木菜央さん
まず、現在の世界の認識を確認しようということで環境の中に社会があって社会の中に私たちがいるという認識を確認しました。議論の出発点としてサステナビリティの定義と現状の確認を行いました。
サステナビリティは国連のブルトラント委員会で定められたもので色々な解釈があるようですが、それは将来世代のニーズを損なうことなく、現代世代のニーズを満たす発展である、将来世代のニーズとはお金持ちになりたいとか、女の子とデートしたいとかそういった俗っぽいニーズも含めて発展をします。そういう俗っぽいニーズを満たす発展をすることで将来世代の普通の感覚のニーズが損なわれるということはサステナブルではないということを話しました。というのはサステナビリティと言うと結構狭い考え方というか、それぞれ異なった意識を持っていますし、ここでひとつ意識を広げるところでサステナビリティは様々な領域に跨っているということだと言いました。実際世界中であらゆる領域でサステナビリティの論文が発表されています。それをマッピングしますとこのようになります。
重なっている領域が沢山あり、都市計画から林業からエネルギーからあらゆる領域に跨っています。次に私たちがなぜこのような活動をしているかということについてお話をしました。問題がそこに山積みになっているのにメディアで伝わってくること、学校で学ぶことに非常にギャップがあると思っています。問題解決することが自分のビジネスに繋がことで、本当の意味で自分の幸せに繋がるのではないかというのがこの仕事を始めた理由です。非営利メディアgreenz.jpですが非営利型のオープンなメディアと株式会社ビオピオという営利なビジネスを通した社会変革を目指しているクリエイティブ集団です。最初から環境に関わることが出来たのではなく、最近になってほぼ100%なり、今、その質を上げて行くところに来たと思います。そしてどのようにしてグリーンな仕事を増やす努力をしたかという話をしました。最後に言っていることとやっていることが乖離しているのが一番良くないことだと思うので私たちがどのように暮らしているのかという話をしました。ここでは、水曜日はまったく新しいことをする日になっています。インターネットの技術を最大限に活用して例えばブラジルやヨーロッパに出張にいってもスカイプで会議をし、社会的な意味が大きいかということ、仕事が仕事を呼ぶ仕事であるかは重要であると思います。
プレゼンテーション・2:兼松佳宏さん
私たちのビジネスのベースになる考え方は「グリーンシンキング」というフレームワークで、一石を何鳥にもしていくというのが基本的な考え方です。これは今まで経済的に合理的であるかが全てでしたが、それによってこぼれ落ちて行く違うものさしが沢山あり、その違ったものさしもきちんと見ていこうということです。全てのものさしとは言いませんが、なるべく沢山のものさしで数値が最大化するような答えを見つけるべきではないかと思っています。
そのフレームワーク3つ主な項目がありますが、あるところのゴミはあるところの資源である。これはゼロエミッションの考え方ですが、ゼロエミッションというのはゴミがゼロになることではなく、あるところのゴミがあるところで資源だったりする循環の輪をつなげていこうということです。これはバックキャスティングの考え方でなくてはなりません。未来のあるべき姿からが逆算して今のやるべきことを考える、今のビジネスモデルを考えるということ、今の問題解決を考えることです。また、全員が勝つとはいいません、全員が泣かないビジネスモデルが必要です。
ひとつの例としてアフリカの子供が毎日何キロも歩いて水を運ばなくてはならない、それによって学校に行けないという問題があります。その問題解決はどうしたらいかというと、子供たちがメリーゴーランドみたいに押しながら手動で遊ぶと地下に蓄えられている水が地上15mのタンクに溜められる装置があります。子供たちは遊んでいるだけなのにいつのまにか水が溜まっています。あとは蛇口をひねると水が出るということです。そのタンクには広告が付いていてエイズなど様々な社会的コミュニケーションに使われます。これは設置も安く運営コストもあまりかからず、設置や運営に地元の雇用が作れます。そうすると雇用が生まれ子供は学校に通え、水汲みに行く大変さが軽減され、家庭の安全が守られ、エイズの啓発もできます。これで一石何鳥にもなる事例だということです。そういった新しい問題解決をするときに必要なフレームワークを発表しました。
プレゼンテーション・3:山根多恵さん、三原綾子さん
3つめが吉田屋さんの話で山根さんと三原さんにお話をしていただきました。とにかくパワフルで圧倒的に存在感があり、僕たちと年代が変わらないのにこんな人が日本にいるのだと、かなり勇気付けられる方々だなと思いました。彼女たちはただの旅館ではなくて、徹底的に地域の問題解決する場作りをしています。
旅館はメディアとして機能していて、吉田屋を中心として問題をつなげ、若者が入ってくる、若者とご老人が繋がっていく、それが小さいけれど根っ子となってつながっていきます。学生耕作隊というものがあり、おじいちゃん、おばあちゃんが果樹の山を持っていて、そこに若者を連れて行って収穫してもらいます。育てることは出来ても、(体力的な問題などで)収穫が出来ない、ならば若者とつなげることでおばあちゃんと会話ができ、果樹をもぐことで都会の中で生きている実感がない若者が生きている実感が持てるヒントになり解決になるというわけです。
この例に見るように問題と問題をつなげていき解決するというクリエイティブなことをしています。多様な働き方があるため総勢70名のネットワークになっていますが、それぞれ違う仕事をしています。聞くところによりますと、東京で夢破れて帰ってきた人はお給料受け取りたくないそうです。受け取らずにリハビリインターンという形で働いている場合や、学生がインターンという働き方をしている人もいるそうです。もちろん正社員もいます。彼女は平日の営業をやめ、金、土、日だけにして残りの週4日は問題解決にあてています。ただその4日間は地域の人や都会の人を引きずりこんで、あらゆる環境活動やビジネスを展開することで、吉田屋のビジネスにもつながっています。はっきりと新しい形のビジネスとして成り立っているんです